借りぐらしのアリエッティ

あんまり面白くなかったです。
原作は読んでいないので、もともとこういう話だったのかもしれないけど、
えっ、ここで終わるの? という展開だった。盛り上がりなし。


一番の原因は、家政婦のおばあさんを中心に演出したことだったと思う。
彼女を俗物として描くのは分かるのだが、小人をつかまえて何をしたかった
のかが分からない。
我々はアリエッティの活躍を見たいのであって、おばあさんのアップを見た
いわけではないのです。


それから心臓の悪い少年も、アリエッティに向かって
「君たちは滅びる種族だ」
なんて偉そうに言ってて、本当にこの年代の少年がこんな台詞を言うかね、
と疑問に思う。


ただ、久しぶりにジブリらしいヒロインだったので、そこは評価したい。
強く凛々しく美しい女の子で、「借り」に行くときの赤いワンピースとポニー
テール姿はよかった。日常のふわっとした髪型もいい。


それに対して、お母さんの専業主婦っぷりはどうなんだろう? 
あれほど弱々しい人がどうして今まで生きてこられたのか不思議だ。
だいたい、お母さんが捕まったとき、お父さんは何をしていたのだろう。
何の説明もないのは演出の欠陥と言われても仕方あるまい。


ジブリは宮崎監督の後継者がいない。
私はかなり危機的な状況ではないかと心配している。
なぜ後継者が育たないのか。
才能ある若手を潰しているのか、それとも別な理由があるのか。


耳をすませば」の監督が急逝したことが悔やまれてならない。