ル・コルビュジエ

愛媛県美術館で開催されている「ル・コルビュジエ展」に行った。
いちおう、近代建築の巨匠、という予備知識はあったのだけれど、絵も
描いているとは知らなかった。


この人が活躍したのは20世紀半ばから後半にかけてで、我々がイメージ
する未来都市をマジで作ろうとしていたのだろう。
様々な都市計画を提案しては、没になっている。


ル・コルビュジエの発想は、1960年代に描かれた未来都市に受け継がれ
てるんじゃないかなぁ、というのが、展示を見た感想だった。
空飛ぶ自動車やチューブで移動するようなものは出てこないのだが、機
能性を重視したビルを高速道路でつなぐ、というのは、まさに未来都市
の基本ではないかと思う。


以前、石森章太郎の「009ノ1」というマンガの感想を書いたことがあった
が、そのときマンガに描かれた建物がル・コルビュジエ風だ、と思った。
たぶん石森は何かの資料で見たのだろう。(


ル・コルビュジエは、健康な都市生活というのをテーマにしていたらしい
が、ナチスに利用されなかったのだろうか、という懸念がある。
というのも、彼は健常者の生活しか考えなかったのではなかろうか、とい
う気がするからである。私の勘違いだと思うのだけれど。


現代の建築はポストモダンということになっているそうだが、近代建築
(=モダニズム)というのは、実はいまでも主流なんじゃないかという
気がしてならない。


快適な住宅とは何か? ということを考えさせられる展示だった。