NHKテレビテキストこだわり人物伝 2010年4ー5月 藤子・F・不二雄/安藤百福 (知楽遊学シリーズ/水曜日)
- 作者: 藤子不二雄A,日本放送協会,日本放送出版協会
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2010/03
- メディア: ムック
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
今月は藤子・F・不二雄なので見逃すわけにはいかない。
今日は第三回目の、家庭でのF先生の話題だった。
奥さんやお子さんがテレビで語るのを初めて見た。
よき家庭人としてのF先生のエピソードが語られ、三人の娘さんたち
がまっとうな生き方をされている姿を拝見した。
(実際はどうなのか全く知らないのだけれど)
別に貶すわけではないが、手塚治虫や赤塚不二夫の娘の荒れ方と比べ
れば、いかにF先生がきちんと愛情を持って子育てをされたかが分か
る。
番組の中で、F先生の肝臓ガンが転移して闘病中に、二番目の娘さん
が臨月で実家に戻ってきた話が紹介されていた。
おそらく、もう孫には会えないだろうと予感されたのか、娘さんに
「オマケの金一封」と書かれた手造りの封筒を渡した、という。
その一カ月あとに、孫の顔を見ることなくF先生は亡くなられた。
私はここで泣いた。
できることなら、無駄に生きている私の寿命を、すべてF先生に捧げ
たいぐらいである。そんなことは望まれないだろうけれど。
テキストは放送の内容をただなぞったものではなく、別のエピソード
も語られている。売り切れないうちに購入をお薦めする。
以下、余談。
まだF先生が存命中に、江川達也というマンガ家が「ドラえもん」は
安易にのび太を助けすぎる、と批判したことがあった。
彼はその反論として「まじかる☆タルるートくん」というマンガを描い
て、ヒットさせた。アニメ化もされた。
さて、発表されてから約20年経ったいま、どうなっているだろうか。
江川はほとんどマンガを描いておらず、「まじかる☆タルるートくん」
を読んでいる小学生もいない。
時間による淘汰というのはこういうことか、と思った。