こだわり人物伝 藤子・F・不二雄

NHKの教育テレビで放送されている「こだわり人物伝」を見ている。
今月は藤子・F・不二雄なので見逃すわけにはいかない。


今日は第三回目の、家庭でのF先生の話題だった。
奥さんやお子さんがテレビで語るのを初めて見た。


よき家庭人としてのF先生のエピソードが語られ、三人の娘さんたち
がまっとうな生き方をされている姿を拝見した。
(実際はどうなのか全く知らないのだけれど)


別に貶すわけではないが、手塚治虫赤塚不二夫の娘の荒れ方と比べ
れば、いかにF先生がきちんと愛情を持って子育てをされたかが分か
る。


番組の中で、F先生の肝臓ガンが転移して闘病中に、二番目の娘さん
が臨月で実家に戻ってきた話が紹介されていた。
おそらく、もう孫には会えないだろうと予感されたのか、娘さんに
「オマケの金一封」と書かれた手造りの封筒を渡した、という。


その一カ月あとに、孫の顔を見ることなくF先生は亡くなられた。
私はここで泣いた。


できることなら、無駄に生きている私の寿命を、すべてF先生に捧げ
たいぐらいである。そんなことは望まれないだろうけれど。


テキストは放送の内容をただなぞったものではなく、別のエピソード
も語られている。売り切れないうちに購入をお薦めする。


以下、余談。


まだF先生が存命中に、江川達也というマンガ家が「ドラえもん」は
安易にのび太を助けすぎる、と批判したことがあった。
彼はその反論として「まじかる☆タルるートくん」というマンガを描い
て、ヒットさせた。アニメ化もされた。


さて、発表されてから約20年経ったいま、どうなっているだろうか。
江川はほとんどマンガを描いておらず、「まじかる☆タルるートくん
を読んでいる小学生もいない。


時間による淘汰というのはこういうことか、と思った。