アニソンはなぜ差別されるのか?

マクロスF VOCAL COLLECTION「娘たま♀」

マクロスF VOCAL COLLECTION「娘たま♀」

マクロスF」のCDを買ってしまった。
アニソンのCDを買ったのはエヴァ以来かもしれない。


私はいま『アニソンのCD』をいう言葉を使ったが、これは差別的である。
なんで私はアニソンを差別してしまったのか。
NHKのBS2であった「MJアニソンSP.2完全版」を見ながら考えてみた。


まずアニソンを定義してみたい。
アニメの主題歌および挿入歌、というのがそもそもの意味だろう。
だが狭義には、声優が唄っている歌、ではないだろうか。


時期的にざっくり分けると、昔のアニソンは主にアニソンを唄っていた
歌手がいて、そこで完結していた。
キャンディ・キャンディ」とか「マジンガーZ」の時代ですね。


90年代に入ると、タイアップが主流になる。
アニソンだけを唄っている歌手ではない人たちが主題歌を提供して、い
わばアニソン臭を脱臭化するような役割を担わされた。


その一方で、声優とアイドルの境界があいまいになってきて、歌手活動
をする人もたくさん現れ、ファンも多くなってきた。
現在は、タイアップの曲と声優の曲がアニソンの二大勢力になっている
と思う。


で、差別されるのは後者の方で、理由はアニメを見ている人が少ないこ
とと、大っぴらに好きと言えない後ろめたさがあるからだ。


なんで後ろめたいかというと、アニソンはサブカルチャーの私生児だか
らではないか。


表面的には、何かに抵抗するわけでもなく、子供向けの番組の枠組みで
作られた無害なものとして受け止められてしまったので、メインカルチ
ャーとぶつかるわけでもなく、かといって迎え入れられるわけでもなく、
そこに生まれてしまったのがアニソンではなかろうか。


現在は、生まれたときからアニソンを聴いて育った世代が中年に達して
おり、彼らの子供である第二世代が、アニソンの立場を変えていくのか
もしれない。


それに、世の中にはいい曲と悪い曲の二種類しかない、という価値観に
従えば、アニソンの中にも名曲はあり、それはきちんと評価すべきだろ
う。




ここからは余談だが、私が声優に対して抱いている違和感を書くと、前
述したとおり、アイドルと歌のうまい人と役者の隙間にいるので、どう
位置づけていいのかわからないのだ。


しかも、彼らはアニメのキャラクターというアバターを持っているので、
二次元と三次元の間をふわっふわしている。
正直、三次元だけならアイドルには負けるけど、二次元なら好き、みた
いな変な感じ。


今日の「MJアニソンSP.2」も、ときどき眼をつぶってアニメのキャラ
クターを思い出しながら聴いていた。


じゃあ初音みくがいいのかというと、やっぱり人間の声の方がまだ聴け
るというか落ち着く。


私が大金持ちなら、実験的に「マクロスF」のシェリルとランカのライ
ブをアニメで作ってみるのだが。
なにしろアニメやCGを使うと、現実にはできない早着替えとか空中浮遊
が簡単にできる。
きっちり演出すれば、90分ぐらいの鑑賞にたえられる作品ができると思
うんだけどな。