
- 作者: 荒川洋平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/19
- メディア: 新書
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コンパクトに文法や日本語教育について語られている。
特に、アスペクトとテンスとムードについて説明してあるところ(本文
p156〜176)は目からウロコだった。
こういう複雑な情報を、一瞬で理解できているんだなぁ、と日本語話者
として感心した。
実は話し言葉だけならば、日本語はそれほど難しくないらしい。
それは外国人力士をみるとよく分かる。
だが、読み書きになるとかなり難しいとのことだ。
なにしろ、漢字に何種類も読み方があり、カタカナとひらがなと外来語
を混ぜて表記する言語は日本語だけだから。
私は中学生に英語を教えていた関係で、この日本語教授法を英語の授業
に応用できないものか、と考えながら読んでいた。
一番の違いは、日本語を学習する人は、たいてい必要に迫られているか、
日本語に興味があるので、割と熱心に学習してくれるが、中学生は逆だ
ということだ。
なるべく例文を工夫するようにしているけれど、食い付きが悪いことも
ある。
また、能力の高い子は文法の説明で理解を深めてくれるが、そうでない
子はわけがわからなくなる。
なんとか日本語の言語的な面白さを、英語にスライドして教えられるよ
うになりたいものだ。
もっとも私がどこかの教室で教えられるようになるのが先だが。