今年のM−1ほど後味の悪いものはなかった。
優勝したパンクブーブーは棚ボタであろう。
何がいけなかったのか。
ファイナリストの人選である。
4629組から8組まで絞る過程で、面白いコンビを取りこぼしているのだ。
今回、ちゃんと面白かったのは、笑い飯の最初の「鳥人」のネタだけだ
った。島田紳助が100点を与えていたのは、さすがである。
決勝のときのネタの選択さえ間違えていなければ、優勝は笑い飯しか考
えられなかっただろう。
ナイツは順番の運が悪かった。
トップでなければ、必ず決勝に残っていたはずである。
モンスターエンジンはネタが悪かった。
西森は悪相である。それが悪い嫁を演じると客は引く。それに気づかな
いようでは、売れることはあるまい。
ハライチのボケの方は、ネタが終わった後で
「どうせ優勝するのは笑い飯」
と言っていた。
こういうことは、生放送とはいえ言うべきではない。
M-1は、こんなインパクトのある奴がいたのか、という驚きをもたらすの
もひとつの役割である。
南海キャンディーズやオードリーがそれで、優勝しなかったけれど爆発
的に売れた。
今回は、そんなコンビがいなかった。
回を重ねるにつれ、賞の重みが増していくためには、こんなファイナリ
ストを選ぶスタッフを総入れ替えすべきであろう。