チャイナパワー

NHKスペシャル「チャイナパワー」の第一回目を見た。
中国の映画製作についてだったが、私は番組が伝えるように、中国
映画がハリウッド映画のようになるとは思えない。


というのも、脚本に政府が干渉しているからだ。
かつてのハリウッド映画にも制限はあったけれど、それを打開する
作品が作られていった。
はたして中国にそれが可能かどうか。


もうひとつ、これは中国に限ったことではないが、監督の個性が
なくなっていることだ。


映画に限らず、表現というものは個人のパッションやエゴが強烈に
叩きつけられているもので、それが観客の心を打つのである。


ところが、映画の世界では作品はプロデューサーのものになってし
まった。
ヒットさせなければ製作費も回収できないのだから、誰にでも楽し
める分かりやすい作品でなければゴーサインは出せない。


そうなると、映像は派手だが中身は痩せたものやヒット作の続編、
テレビドラマの続きなどが作られていく。


「チャイナパワー」で紹介されていた中国映画は、孫文孔子の人生
を扱ったものだった。
はたして世界のマーケットはこれを面白いと判断するだろうか? 


むしろ、香港映画の方が個性的で面白いと思うけれど、資金や人材
は大陸にとられていくのだろう。


彼らに「2012」みたいなパニック映画は作れるのだろうか? 
中国人がSF映画を作れるようになったら、ちょっと見直すけど。