東京DOGS

あんまり説明しないドラマだなー、というのが第一印象。


1997年放送の「踊る大捜査線」は組織捜査というリアリティを前面に
出した画期的なものだった。
このドラマを映画化したものが大ヒットして、刑事ドラマは一気にリ
アリティを追求するようになった。


ところが、この「東京DOGS」は、昔ながらのバディものの刑事ドラマ
である。組織捜査など全くない。
いわば原点回帰というべきものだが、それにしては拳銃の銃弾の数な
どに妙にこだわっている。


おそらく、「踊る大捜査線」の視聴者層は30から40歳ぐらいになって
おり、月9ドラマの視聴者層は20代なので、わかりやすい内容にシフ
トしたのだと思われる。


物語としては、質の悪い香港映画のようで、たぶんあまり面白くはな
らないだろう。悪の組織のバッジのデザインの悪さにも、それは現れ
ている。


それでも、小栗旬が演じる刑事のキャラクターは素晴らしく、母親に
頼まれると嫌とはいえない、という設定は面白い。
小栗旬は、唐沢寿明への道を進もうとしているのではないか。
(ちなみに唐沢寿明仲代達矢への道を進もうとしているように思える)


一方、水嶋ヒロはあまり深みがないキャラクターを演じており、いま
のところ小栗旬の引き立て役にしかなっていない。
このままだと、将来的には東幹久のポジションしか残されていないよ
うな気がする。


いったい、フジテレビが培ってきた刑事のリアリティ路線はどうなって
しまうのだろうか。
誰かが引き継いでいってほしいのだが。