怖い芸人

立川談志ビートたけしは、テレビで見ていても怖い。
本来は人を笑わせる芸人のはずだが、威圧感がすごい。
これはどういうことだろうか。


一芸を極めた人の中には、そういうオーラを持っている人が多いのかも
しれない。
職人にもそういう人がいる。


芸人の虚勢の張り方は、ヤクザと同じなのだろうか。
常に、人に舐められないようにしていると、自然と威圧感が増すのかも
しれない。


もしそうだとしたら、なぜ芸人なのに人に舐められないようにしなけれ
ばならないのか。


おそらく、我々は無意識にヤクザや芸人を差別しており、彼らはそれを
敏感に感じ取っているからではあるまいか。
また、上下関係が非常に厳しい世界で生きているために、暴力を使った
り使われたりすることが日常茶飯事だからかもしれぬ。


そして、下積み時代に暴力をシャワーのように浴び続けていた人ほど、
逆の立場になったときに後輩に暴力をふるうのだと思う。
さらに、芸人として天下を取ったときには、過剰なほどの全能感を感じ
るだろうから、暴力はエスカレートしていくのではないかと推測する。


その積み重ねが、晩年になって怖さとなって出てくるのではなかろうか。
ちなみにタモリが怖くないのは、下積み時代もそれほど暴力と関係なか
ったからだろう。もちろん本人の性格によるものも大きいけれど。