ホームレス中学生

ドラマ「ホームレス中学生」が意外に面白かったです。
原作は読んでいないのですが、「すべらない話」で聞いていたエピソードが
いくつか入っており、実際に映像で見てみると苦労してたんだな、と。


キャスティングも吉本の芸人が多かったのはさておき、イメージとぴったり
でした。
特に主人公の姉役の夏帆がよかったです。貧乏映えするというか、幸薄そう
な感じが出ていました。


それにしても、このドラマはフィクションとはいえ、母親の死、親切にして
くれたお好み焼き屋のおばちゃんの死と、ほんらい最も自分を保護してくれ
る人の喪失が描かれています。
(うがった見方をすると、セーフティーネットのない社会を反映しているのか
もしれません)


それを補うように、きょうだいや友達、それに学校の先生が主人公を支えて
いきます。
こういう話のパターンは、昔の日本映画で割とよくあったような気がします
が、平成になって新たに語られると、若い人は感動するのでしょう。


私が気になったのは、薬師丸ひろ子の役者としてのポジションです。
ここ何年かの仕事で印象に残っているのは「木更津キャッツアイ」の女教師役
や「バブルへGO!」の科学者役のような、どこか変な人の役でした。


ところが、「ALWAYS三丁目の夕日」のお母さん役で、良妻賢母のイメージを
獲得します。
今回のドラマも、その流れでキャスティングされたのかもしれません。


私としては、ちょっと変な人のイメージを捨ててほしくないのですが、もし
かしたら彼女はこれからポスト竹下景子になる可能性があります。
いや、なってもちっとも悪くはないのですが。


ドラマの最後に、映画の予告編が流れましたが、主人公が小池徹平なのはい
かがなものか、と誰しも思ったでしょうね。