第一話を見た限りでは、ウェルメイドなドラマなんじゃないかと思う。
でも、これはファンタジーなので、現実とのバランスが大事だ。
このドラマの視聴者は、ほとんど政治や選挙のことを知らないだろうから、このぐらいの
描写がちょうどいいのだろう。
木村拓哉は、大衆から何か失敗しないかと手ぐすね引いて待たれているようなところがあ
って、そのプレッシャーは相当なものだろうが、よく頑張っていたと思う。
もっとも、最終日の選挙演説は、別に人の心を動かすようなものではなかった。
あれで当選するあたりが、このドラマのリアリティの限界かもしれない。
私が面白かったのは、深津絵里である。
木村拓哉のカウンターパートナーのような役割で、実に嫌な女を演じている。
嫌な女というよりは、オッサンみたいな女というべきか。
選挙事務所で我がもの顔でひとに命令するあたりが上手かった。
選挙のドラマというと、フジテレビでは三谷幸喜の「合言葉は勇気」というのがあった。
総理大臣が主役というと、やはりフジの三谷脚本で「総理と呼ばないで」があった。
おそらくブログを書く人の大半は、これらとの比較をしているだろう。
また、タイトルは忘れたが、日本テレビでとんねるずの石橋貴明が代議士秘書を演じたド
ラマもあった。
いずれも視聴率的には惨敗だったと思う。
この企画が、郵政選挙で小泉チルドレンが大量当選したときに出たのなら分かる。
しかし、今の状況で木村拓哉が総理大臣になる、という物語に何か意味があるのだろうか。
このドラマの中で画期的な政策が提言されるのなら、それを楽しみにしたい。