エンタの神様

塾に芸人好きの子がいて、ぜひ今夜の「エンタの神様」を見てほしい、と言う。
普段この番組を見ることはないが、ときどきザッピングをしていて目に留まることはあった。
そんなに面白いのなら、と珍しくオンタイムでテレビを見ることにした。


で、見終わったのだが、トータルテンボスラバーガールのコントはよかった。
この番組はいろいろ批判されているらしいが、確かに一発芸やあるあるネタの芸人が次から
次へと出てくるのは、大人の鑑賞に耐えるものではない。


そのあたりは製作する側も分かっているのだろう、メインターゲットは中学生かそのレベル
の人に絞っていると思われる。


日本テレビに限らず、もともとテレビ局は芸人を使い捨てにしてきているので、エンタ芸人
が一時的にブレイクして、すぐにいなくなってしまうのは珍しいことではない。
というか、芸人というのはそういう宿命を持っているもので、何十年もレギュラー番組を持
って人気を維持していく方が特殊なのだ。


ただ、あまりに幼稚な芸で笑っている客を相手にしていると、全体のレベルが下がることに
なるのは否めない。
良くも悪くも、テレビの笑いが依然としてスタンダードになっているからしょうがないとはいえ、
このところ芸人のDVDが売れているのは、もっと高度な芸が見たいという視聴者の欲求の
表れではないか、という話もある。


新聞やテレビが漢字を制限して、拉致を「ら致」と書いていたことがあったが、「エンタの
神様」は芸人にこのようなことをさせているのではないかと思う。
バカにレベルを合わせると、わけが分からないことになってしまうのではなかろうか。