盲人のエロス

身障者差別になるかもしれないので先に謝っておくが、誰かを傷つける意図はありません。


我々男性は、エロス的なものを視覚によって感じることが多い。
例えばグラビアアイドルとかアダルトビデオなどを見て、性欲をかきたてている。
あるいはギャルゲーとか同人誌でもいいが、視覚はとても重要な役割を果たしている。


では、視力を奪われた人のエロス的欲求は、どうやって満たされているのだろうか。
私がパッと思いつくのは、フランス書院文庫などエロ小説の朗読である。
確か、そういう商品があったような気がする。


あるいは、触覚や嗅覚で高まるのかもしれない。
レイ・チャールズの伝記映画で、彼が男娼のようなことをさせられていたのを思い出した。
盲目なので、相手の女がどんな容姿だろうが関係ないのである。


生まれたときから盲目の人は、相手がどんな姿かをハッキリ想像できるのだろうか。
そこにその人なりのエロス的要素が入っていれば、興奮できるとは思う。
もしかしたら、目の見える人には想像もつかないビジュアルが脳裏に浮かんでいるかもし
れない。


だが、そういうことをいちいち訊ねるわけにもいかないし、訊ねたところで正確に再現で
きるものでもないだろう。
もしかしたら、盲人のエロスを研究をしている人がいるかもしれないが。


岸田秀によれば、人間は本能の壊れた生き物だから、いつどこでどのような性的興奮回路
が作られるかは、千差万別だろう。
多くの人はいわゆる“まともなもの”で興奮するが、一部の人は常人が思いもよらないも
ので興奮する回路を作ってしまう。
それが変態と呼ばれる人だろう。


いったい盲人は、どんな性的興奮回路を形作っているのか、ちょっと興味がある。
たぶん、目の見える人とほとんど変わらないとは思うのだが。