激流中国 小皇帝の涙

中国の子供が、親に尻を叩かれながら勉強する様をレポートしていた。
一人っ子政策のため、子供に過剰な期待をかける親と、その重圧に押しつぶされそうになって
いる小学生が何組か登場していた。


もっとも、韓国だって受験は過酷だし日本も同様に大変だ。
そもそも中国は科挙制度を作った国なので、受験に関しては長い歴史がある。
子供が泣きながら勉強するのは、今に始まったことではない。


しかも、このレポートでは、子供に教育を熱心に受けさせる家庭を中心に撮影しているが、実
際には読み書きも満足にできない子供だってたくさんいるだろう。
農村の教育と都市の教育は、別の国のように違うんだと思う。


子供に勉強させる親の何人かは、かつて国営企業で働いていたがクビになっている。
何の能力もないから会社に残れなかったのだ、という強烈な劣等感が隠されているのだ。
それをぶつけられた子供はたまったものではない。


こうした受験勉強は何のためにやっているのかというと、いわゆるいい大学に入って、いい就職
先に恵まれることだが、就職してからも仕事はきついはずだ。
一生ずっと勉強しなければならんというのも、おかしな話である。


これだけ豊かで便利な世の中になったのだから、それをキープするだけでも多くのエネルギーが
消費されている。
私だったら、もっと怠けてエネルギー消費をだんだん減らしていくことが、人類の喫緊の課題で
あろうと提案する。


そうはいっても、高度経済成の長真っ只中にいる都市部の中国人たちには、何のことやら分から
ないだろう。今日より明日が豊かになれる、と信じて頑張っているのだから。


できれば、流した涙が報われるような社会であってほしい。
もし、そうでなければ、大量の荒れた若者が10年後ぐらいに出現するだろう。
政情不安に直結するかもしれない。


中華人民共和国って、誰もが普通に働いて普通の賃金を得られるような社会を建設するために建国
されたんじゃなかったけな、と思ってしまった。