しいたけ

小4の女の子に作文を書かせることになった。
どういう題にしようか、いろいろ出してみたのだが、あまり乗り気ではない。


ならば「私の嫌いなたべもの」はどうだろう、というと、それなら書くという。
彼女の嫌いなものは、シイタケとブロッコリーとカリフラワーだった。
ふだん親に食べさせられている恨みがあるからだろうか、なかなかいい作文ができた。


シイタケは私も子供のころは食べられなかった。
見た目の気持ち悪さと食感、そしてあのなんともいえない味がダメだった。
あれほど子供に嫌われる要素のある食べ物も珍しい。


そういえば、吉田戦車の「伝染るんです」に、シイタケが主人公のシリーズがあったっけ。
なぜかふきだしではなく、書き文字でセリフが語られていた。
かなりひねくれた奴だった気がする。


Wikipedia でシイタケの項を見てみると、英語やフランス語でもシイタケと呼ばれるらしい。
フランスにはトリュフが、イタリアにはポルチーニ茸があり、それぞれ香りを珍重している
が、日本だとマツタケがそれにあたるだろうか。


では、フランスやイタリアでシイタケにあたるものは何だろう。
日常的に使うのは、やはりマッシュルームか。しかし、マッシュルームで出汁がとれるのだ
ろうか。よく分からない。


中国語だとシイタケを香蝱(シャングー)というようだ。
(「グー」の漢字が正しく変換されないが、くさかんむりに姑という字である)
香りがいいらしい。干しシイタケが輸出されているそうなので、きっと高級食材になってい
るに違いない。


ふと思ったが、食べ物で好き嫌いのある中国人ってどのくらいいるのだろう? 
常識的に考えれば、そりゃたくさんいるに決まっているが、全員が何でも食べそうな気もす
る。


話がズレた。シイタケの話だった。
総務省の家計調査によると、生シイタケを全国で一番食べているのは秋田市の人で、年間で
2578gだそうだ。これは全国平均の1.5倍である。
また、干しシイタケだと大分市がダントツで年間254gとのこと。全国平均の実に2.4倍だった。
一村一品運動のおかげだろうか。


これらの地域の子供で、シイタケが嫌いな子がいたら辛いだろうな、と思う。
きっと給食でたくさん出るだろうから。
いつか食べられるようになるから、そんなにシイタケを憎まないでほしいです。