ああっ女神さまっ

BS2でやっていた映画を見た。
なかなか美麗な作画で面白かった。
ストーリーは、どことなく映画「うる星やつら」シリーズっぽかったけれど、それに文句を言う
人はあまりいないだろう。


原作のマンガは、もうすぐ連載開始から20年になるらしい。
私は単行本の35巻の帯を見て気がついたのだが、軽く驚いた。
最近の若いオタクは、このマンガを読んでいるのだろうか? 


藤島康介は、オタクの世界にひとつの座標軸を作ったのではないかと思う。
マンガ「ああっ女神さまっ」の作品世界では、ほとんど時間が進んでいない。
大学生からバイク屋に就職し、好きな機械いじりをしながら、美しい女神たちと一緒に暮らして
いる。
まさにオタクの夢の世界である。


映画版を見て気づいたのだが、天上界のオペレーターたちは全て女神である。
上司らしき神様は声だけで姿を見せない。
つまり、オッサンは大学の先輩たちを除いて出てこないのですな。
なぜかというと、観客は美しいものしか見たくないから。


このような世界観が20年間ずっと安定的に支持されてきたということは、意地の悪い言い方をす
ればオタクが大人になっていないからである。
もちろん、現実の世界ではいろいろ苦労をしているだろうけど、作品の中にはそういう汚いもの
を持ち込ませない力が働いているのだ。


連載開始時に20歳ぐらいだった人も、もう40歳前後のオッサンになっているはずである。
ベルダンディは相変わらずの姿で微笑んでいるけれど、時間というのは残酷に過ぎていくものだ
と思う。


藤島康介は、いったいつまで連載を続けて、どのように終わらせるつもりなんだろうか。
知りたくもあるが、見るのが怖いような気もする。


本文と写真はまったく関係ありません

左からベルダンディ、ウルド、スクルドってことで。