可もなく不可もなくといったドラマだった。
織田裕二と上野樹里のファンが楽しめれば、それでいいのではなかろうか。
大竹しのぶは相変わらず上手い。ベリーショートにしているのは、サガンの「悲しみよ
こんにちは」のイメージかな。
かつての恋人だった女の娘とつきあう、という話はフランス映画で見たような気がする。
欧州のラテン系の国なら、わりとあることなのかもしれない。
そういう設定を日本に持ち込むと、とたんに生々しくなってしまうのはなぜだろう?
家制度と重なるからだろうか。よく分からないけど。
かつて東芝日曜劇場だった枠のドラマなので、基本的には家族愛を描いた作品が多い。
「冗談じゃない!」も、その系譜に属するだろう。
たぶん、紆余曲折を経て、織田裕二と上野樹里はフランスのブドウ畑でワイン作りをす
るんじゃなかろうか。
で、ふたりの間に赤ちゃんが生まれた年に新しいブドウの木を植える、もしくは新しい
ワインを仕込む場面でハッピーエンドという気がする。
(まあ、私のベタな予想がうまく外れることを祈るけど‥‥)
ただ、このドラマだと、どうしてもこのキャスティングでないとダメだ、という人はい
ない。例えば
織田裕二 → 福山雅治、江口洋介
上野樹里 → 沢尻エリカ、相武紗季
大竹しのぶ→ 黒木瞳、岡江久美子
田口浩正 → 温水洋一
でも成り立つだろう。
良く言えば汎用性のある、悪く言えばあまり深みのない脚本なのですね。
それにしても、織田裕二はこれからどうしていきたいんだろうか。
マジな芝居もコメディもこなせる、演技の幅の広い役者になりたいんだろうけど、今の
ところ代表作は「踊る大捜査線」シリーズだ。
このイメージを打破するような作品の主演を、40代で何とかつかみたいに違いない。
「冗談じゃない!」は間違いなく代表作にはならないけれど、いっそドラマと同じよう
に20歳年下の子と結婚してみたらいんじゃね? 偽装でもいいから。
そしたら、老け役も自然にこなせるようになるかもね。