貧困

NHKスペシャル「インドの衝撃」を見た。
経済発展著しいインドの光と影をレポートしていたが、以前は中国がそういう対象だった気がする。
最近は、ブラジル・ロシア・インド・中国の頭文字をとって BRICs と呼ぶらしいけど、これらの国が
発展するというレポートを書いたのは、インド人女性だそうだ。
(そういや、80年代はNIESって言ってなかったっけ?)


インドでも中国でも中流層が台頭し、先進国並みの消費を楽しむようになった、という話だが、もと
もと人口が多いので、2割程度が中流になっても3億人ぐらいの規模になる。
それはインパクトが強いけれど、残された8億から9億人の貧乏人はどうするのか、手放しには喜べない
だろう。


この二大国を見ていると、経済がうまくテイクオフしたように思えるが、国全体がうまくいくことは
ないような気がする。
いずれ飢えた農民たちによって反乱が起きるんじゃないかなぁ、と根拠のない予想をしておく。


しかし、逆に考えれば国内に大量の貧民がいるということは、彼らが消費者になる可能性もある、と
いうことだ。
収入を増やして可処分所得を多くすれば、必ずモノを買ってくれる。
そうすると、貧民は一転して消費者の大群に変わり、経済の循環はますますよくなっていく‥‥という
夢のシナリオだ。


だが、収入が増えるような仕事に就くためには、頭が良くなければならない。
教育を受けて社会的地位を上昇させることができる人は一部にすぎないだろうから、やっぱり7割ぐらい
の人は貧困から抜け出せないのではないか。
そして、日本と同様に、貧困層を対象にしたビジネスが繁盛するんじゃないかと。
悲観的すぎるかな。


ここで話はアフリカにとぶ。
私が子供のころから、サハラ以南の国々は貧乏で内戦ばかりしている印象がある。
アフリカ人が被害者だ、という立場だと、彼らに武器を与え、地下資源を奪い取る欧米企業が悪いこと
になる。私もそう思っていた。


でも、実はアフリカ人がバカである、という可能性も捨てきれないのではないか。
バカというのは言いすぎかもしれないが、近代化とか民主化という概念が民衆レベルで理解できないの
ではないか、と思うのだ。


もちろん、近代化とか民主化が絶対に正しいとは思っていない。
むしろ、国民国家以前の、部族単位のライフスタイルの方が合理的かもしれない。
だとしても、もう元には戻れないのだし、内戦やエイズや貧困で死ぬよりはマシなのではないか、とも
思う。


物資を援助するよりも、まともな国をイメージできるアフリカ人を教育した方が、よほどためになるの
ではなかろうか。
ものすごく偉そうな視点から語っているが。


それとも、アマゾンのインディオたちが、自分たちが滅びるか、白人たちが滅びるかを根競べしている
ように、アフリカ人たちもそうしているのだろうか。


そんなことを、コタツに入ってぬくぬくと生活している私が考えたところで、屁のつっぱりにもならない
のだけれど。


本文と写真はまったく関係ありません

よく見ると白いネコがいます