M-1グランプリ2006

今年は「行きずりの女と寝たよ!」という台詞を決めたチュートリアルが優勝だった。
これは見た人全員が納得の結果だったと思う。
最初の冷蔵庫ネタもそうだが、テンション一発で乗り切るのではなく、きちんと練りこまれた
芸が光っていた(例えばチリンチリンネタで笑うところとか)。


惜しむらくは麒麟で、毎年がんばっているのだが、なぜか優勝できない。
緊張のあまり台詞を噛んでしまっても、それをフォローできる抜群の瞬発力があるというのに。
ここ一番の運がないのかもしれない。


ライセンスのドラえもんネタも、個人的には面白かった。フットボールアワーより良かったんじゃ
ないか、という気さえする。敗者復活のコンビは、毎年勢いがあるだけに残念だった。


笑い飯は、M-1出場者としては、もう旬を過ぎてしまったように見えた。
やはり03年に優勝しておくべきだったな。


さて、私のようなライトな芸人好きは、この番組でしか見ないようなコンビも多くて、たぶん
多くの人もそうではないかと思うが、麒麟とかチュートリアルなんかは、関西圏以外だと認知
されていないのではないだろうか。


だが、彼らは関西ローカル番組の「クイズ紳助くん」や「明石家電視台」にレギュラー出演して
おり、けっこうベテランでもある。
京進出の野望がなければ、関西でそこそこやっていけるだけの地位も実力もあると思う。


それでも敢えて出場するのは、賞金だけではなく、もっと有名になりたいという思いがあるから
だろう。そして、M-1優勝というブランドが欲しいのかもしれない。


ところが、現実はどうだろうか。
中川家ますだおかだフットボールアワーアンタッチャブルブラックマヨネーズの歴代
優勝者は、いずれもゴールデン・プライムタイムの冠番組を持っていない。


そもそも、いまの時代に、笑いで天下を獲る=ゴールデンの冠番組を持つことなのか? という
声もあると思うが、私はこの考え方はまだ有効だと見る。
いまだに、ダウンタウンとんねるずナインティナインが頑張っているのは、この枠を渡した
くないからだろう。
(その意味で、ウンナンは撤退したと言うべきか)


ということは、上の世代が現役である限り、自分たちの番組はゴールデンの枠に入り込めない
わけだ。これが辛い。
だって、いまゴールデン・プライムタイムで現役の先輩たちは、20代のときに冠番組を獲って
いるのだが、M-1で優勝したコンビはほぼ30代である。


なぜ芸人の新陳代謝がまったくないのだろうか。
ダウンタウンとんねるずを(テレビ的に)超える芸人が現れないから、というのがひとつ。
笑いを求める層が、テレビよりもライブ会場や深夜番組へシフトしたというのが、もうひとつの
理由ではないかと思う。


テレビ局側は、芸人なんて使い捨てだと思っているから、一時的にワッと騒いで視聴率が取れれば
後はどうでもいいわけで、「エンタの神様」のようなネタ番組が流行るのもうなずける話だ。


こうなると、プロ野球と同じように、笑いを本当に楽しみたい人は現場に行ってテレビなんか見な
いだろうし、そんなものに興味のない人もテレビなんか見ない、ということになっているのかな。
いわゆるテレビ離れという現象でしょうか。


でも、WBCやサッカーのワールドカップのような大会の視聴率はいいわけで、芸人がネタで真剣に
争うような番組だと見てくれるのかもしれない。
今回のM-1の視聴率はどうだったのだろうか?


本文と写真はまったく関係ありません

川 ´^`)<ハロプロにも芸人はいてんねん