- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
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二部作を見た後だし、DVDの封を切るのは今だろう、と思って鑑賞しました。
これは評価が高い作品だけど、太平洋戦争における南方作戦の概要が分かってないと、ぼんやりと
した印象しか残らないと思う。
私も、なんか評判ほど面白くねーな、と思って、Wikipedia で「フィリピンの戦い」の項目を読んで、
なるほど、と合点がいった体たらくだ。
映画では、日本軍が真珠湾攻撃をして、フィリピンにも侵攻するところから始まる。
このときは大日本帝国軍がぶいぶい言わしていた時期で、米軍はずいぶん苦戦したように描かれている。
主人公はマニラ湾のPTボートと呼ばれる魚雷発射艇の艦長で、何度も死線をくぐり抜け、憎っくき
ジャップどもの軍艦を撃沈させる。
この戦闘シーンの映像は、いま見ても割と迫力がある。
もちろん、「硫黄島」のような圧倒的な映像ではないけれど、実際に従軍してドキュメント映画を
撮影したジョン・フォード監督だけに、着弾したときの水しぶきや魚雷発射のタイミングなんかが
実にリアルに見えた。
戦中に撮影され、1945年に米国で公開されているが、戦意高揚になったのかどうかは分からない。
というのも、映画では米軍が敗走するところで終わっているので、後からフィリピンを奪還する
ことを知っている人には、最後に出てくる“We shall return”という字幕が頼もしく見えるだ
ろうが、注意して見れば、厭戦気分も感じさせるからだ。
そもそも、原題の“They Were Expendable”は「彼らは犠牲だった」という意味であり、戦死した
若者たちに向けるジョン・フォード監督のまなざしは優しくもあり、やるせなさもある。
フラタニティあるいは兄弟愛というべきものが、ジョン・フォード作品のベースになっていることは
論を待たないだろう。
軍隊は、まさにそのような絆を描くのにぴったりな舞台であるが、戦争そのものを賛美しているわけ
ではないように思えた。
ただし、登場人物の全員が、戦争そのものには何の疑問も持っておらず、いち早く手柄を立てたい
と競い合っているのを見ると、ハリウッド映画の枠組みからは一歩も出ていないな、と思う。
その意味で、クリント・イーストウッド監督の硫黄島二部作は、画期的な試みだったことが分かる。
60年前のモノクロ映画なので、誰にでもお薦めできるわけではないが、戦争映画のひとつとして
コレクションに加える価値はあると思う。
もっとも、ジョン・フォード監督がこの作品の前後に作った「我が谷は緑なりき」と「荒野の決闘」
は絶対に見なければならない映画だと断言するけど。いやマジで。
本文と写真はまったく関係ありません
川*^∇^)||<日本ってアメリカと戦争したらしいよ!
从o゚ー゚从<マジで?