アイドルの出処進退

モーニング娘。というアイドルグループは、卒業と追加募集を繰り返している。
多くの人が記憶しているのは4回目のオーディションに合格したメンバーまでで、
それから後は、ファンでなければ、おぼろげにしか認識してないと思う。


4月28日の夕方、突然の発表があった。
5回目のオーディション合格者(通称、5期メンバー)4人のうちの2人が、モーニング
娘。を卒業する、という。
青天の霹靂だった。


ひとりは、紺野あさ美さん、もうひとりは、小川麻琴さんである。
紺野さんは7月末に辞めて、大学受験を目指すそうだ。芸能界に復帰する見込みは少ない。
小川さんは8月末に辞めて、海外に語学留学するらしい。彼女は、しばらくしたら復帰する
可能性がある。


ここでは、紺野さんについて書きたい。


紺野さんを含めた5期メンバーは、モーニング娘。のCD売り上げ絶頂期の後に加入して
いる。テレビのレギュラー番組もどんどん減っていき、現在ではテレビ東京系以外の
メディアの露出は、ほとんどないと言っていい。


その代わり、コンサートに力を入れており、ここ2年ぐらいのモーニング娘。のライブ
DVDをご覧になると、一般の人が知っていたモーニング娘。というグループが脱構築
されていく様子がよく分かると思う。


さて、紺野さんは、コンサートもがんばっていた。
涙が止まらない放課後」というシングル曲では、メインパートをもらった。
だが、はたして彼女は、唄って踊ることが本当に好きだったのだろうか? 


アイドルという仕事は、長く続けられるものではない、ということは、誰だって分かって
いる。本人も、ちょっと考えれば、将来が不安になると思う。
自分は二十歳を超えても、歌やダンスでがんばっていけるか。女優のように演技ができる
か。バラエティ番組で面白いことが言えるか。


紺野さんは、いずれの選択肢にも No という結論を出したのだろう。
芸能界は、自分のような淡白な人間が生き残っていける場所ではない、と思ったのだろう。


私は、非常にクレバーな決断だったと思う。
若くて可愛いのは今だけだ。このままズルズルと流されてしまったら、私はどうなっちゃう
の? それより、普通の生活をしよう。
こう思うことを、誰が責められよう(←私が勝手に妄想しただけだが‥‥)。


むしろ、残されたモーニング娘。のメンバーたちは、不安にならないのだろうか、と思う。
もし、このままモーニング娘。がどんどん尻すぼみになっていったら‥‥。他にやれる
仕事なんてあるのかなぁ? とか。


それとも、10代のうちにガッツリ稼いでおいて、後のことはそのときになって考えよう、
と楽観的なのかもしれない。彼女たちに、どのくらいお金が入っているかは分からない
んだけど。


「可愛い」を商売にすると、いろいろ大変だなぁ。


アロハロ紺野あさ美を見て思ったこと