Wikipediaに「卵かけご飯」という項目がある(参照)。
これを読んだとき、ちょっと感動した。必要にして十分なことが簡潔に書かれている。
きっと、これを書いた人は、卵かけご飯を愛しているのだろう。
それによると、日本で鶏卵を食べるようになったのは、江戸時代かららしい。
そして、最初に卵かけご飯を食べたのは、明治時代の従軍記者だそうだ。
ということは、卵かけご飯の歴史は、まだ130年ぐらいしかないことになる。
意外と短いもんだ。
私は、気持ち悪いので、高校まで卵かけご飯を食べられなかった。
きっかけは、高校に入学する前の春休み、Tくんという友だちの家に遊びに行き、一泊した
ときだった。
朝ごはんを食べて行きなさいよ、とTくんのお母さんに勧められ、じゃあお言葉に甘えて、
と食卓についた。
で、当たり前のように、白いご飯と生卵が出てきた。
これを断るのは失礼である。
私は、見よう見まねでTくんのように醤油をたらして卵をかきまぜ、ご飯にかけた。
うえっ、このどろどろが気持ち悪いっ!
内心そう思っていたが、思い切って食べた。
あれ‥‥うまいじゃん。
卵のコクのある甘みと、ほんのり足された醤油の香り、そしてアツアツのご飯の
ハーモニーが口の中いっぱいに広がる。
あっという間に、ずるずると平らげてしまった。
食わず嫌いというのは、本当にあるもんだなぁ、と自分がいかに損をしてきたか反省した。
しかし、その後、卵かけご飯のようなコペルニクス的転回をみせた食べ物には、不幸
にしてめぐりあってない。
Tくんのお母さん、ありがとう。いま、どこで何をしてらっしゃいますか?
Wikipediaの孫引きになるが、外国では、あまり生卵を食べる習慣がないそうだ。
サルモネラ菌による食中毒があるかららしい。
映画「ロッキー」で、スタローンがトレーニング前に生卵をグビグビ飲むシーンが
あるが、欧米では(うわっ、あんな気持ち悪いことしなきゃならんのか)と壮絶な
イメージで受けとめているとか。うーむ。
そういや「SMAP×SMAP」で“エッグポーカー”という企画があったっけ。
あれは面白かったが、日本人でも、生卵を飲み干すのは辛そうだった。
やはり、ホカホカのご飯や牛丼にかけて食べるのが一番だね。