ロスト・イン・トランスレーション

今のところ、米国人が最も東京を的確に描いた映画だと思う。
夫の仕事についてきたものの、放っておかれて孤独な新妻と、日本のＣＭのために来日した
ハリウッド俳優の二人が、異国の街でなんとなく親密になっていく、という内容だ。

それにしても、パークハイアットというホテルには何でもあるな。
ああやってホテル暮らしをする外国人がたくさんいるのに驚いた。
私がマレーシアや香港に滞在するのと同じことかもしれないけど。

ハリウッド俳優役のビル・マーレイが、実に渋い演技をしている。
米国では、ちょっと落ち目になっているが、日本では人気があるという設定がいい。
妻としょっちゅう電話しているのもよかった。

ところで、ビル・マーレイって、日本ではどのくらい人気があるんだろうか？　
「サタデー・ナイト・ライブ」では、むやみに刀を抜いて切りつける変なサムライを演じて
いたが、やはり「チャーリーズ・エンジェル」に出ていたオッサン、というイメージか。

私がすげぇと思ったのは、「キングピン」という映画の、主人公のライバル役だ。

「ダム＆ダマー」で有名なファレリー兄弟のかなり下品な作品で、非常に憎憎しいボウリ
ング・チャンピオンを演じていた。

かと思うと、「恋はデジャブ」では、ロマンチックな男だったりする。

ある村へテレビ番組の取材に行った男が、何をしても必ず、同じ一日の朝に戻ってしまう
のだ。しかも、当人の記憶は失われない。
最初はダメ男だったのが、だんだんいい奴になっていく過程を好演している。

この映画は、時間を扱った作品の傑作で、Ｋ・グリムウッドの「リプレイ」という小説に
インスパイアされていると思われる。

これも、何度も同じ時間を繰り返してしまう話で、面白かった。

こないだ偶然テレビで見た「恋に落ちたら‥」では、ヤクザの親分を演じていた。

割と嫌な奴の役が多いような気がするのだが、ルックスのせいだろうか。かなり背が高い
からかもしれない。

日本でいうと、大杉蓮みたいな役者だろうか？　違うな、大竹まことか。

本文と写真は全く関係ありません

（ブラジル　大豆畑）