テレビを見るとバカになる?

一昨年のことだが、学習塾で中学生を教えていて、雑談になったとき、テレビで細木数子
言うことを本気で信じている子がいたので、びっくりした。


こう言ってはアレだが、その子は中2にもかかわらず分数の計算ができないくらい出来が
悪かった。
そして、私の言うことは基本的にバカにして聴いてくれないのだが、テレビに出ている
芸能人の言うことは、実に素直に頭に入るのだった。


細木数子の番組は視聴率がいいそうだが、どのくらいの人がまともに見ているのだろう? 
大人で、彼女の言動をマジで信じているとしたら、中学生のレベルで頭が止まっていると
言っていい。


しかし、逆に考えると、テレビは教育のツールとして実に素晴らしい可能性があるとも
言える。具体的なことは、画面でパッと出せば簡単に理解させられるからだ。
(ただし、抽象的なことは苦手なので、読書などで補う必要がある)


それと、学習以外でも、例えばファースト・ガンダムを視聴した世代は、濃度に差は
あるが、全員が同じように教育(?)をされたと言えないだろうか。
同世代が、あるテレビ番組で紐帯していることはよくある話だ。


これをプロパガンダとして悪用すれば、いくらでも大衆を操作できそうなものだけれど、
いまのテレビはそういう能力がどんどん低下しているような気がする。
今や、少子化ニートが問題になっているので、子供をつくったり働くことの素晴らし
さをドラマとかバラエティなどを通じて洗脳していくという方法は、スレた視聴者がすぐに
見抜いてしまうだろう。
その分野はネットが担っているのかもしれないが、まだまだテレビほどの影響力はない。


本来は、テレビ・ネット・読書とバランスをとって学習すればいいと思うのだが、いずれ
かに偏ってしまっていると思われる。
それは視聴者も本能的に不安に思っているから、知能クイズの番組が流行るのだろう。
(あと、身体を動かすこともね。ピラティスとか古武術とか)


もっとも、テレビで自分を判定するなんてバカらしい、という知的な枠組みを自分で
作らないと、いつまでたってもテレビに引っ張りまわされるだけだと思うけどね。