神はサイコロを振らない

10年前に行方不明になった小型飛行機が、乗客ごと戻ってくる、という話だ。
乗客たちは時間を経過してないので、10年前のまま、というのが面白いプロットだと
思った。


主人公は小林聡美で、ドラマの年齢設定は38歳となっている。
「10年前のあなたは、どんなあなたでしたか?」
というコピーが最後に出てくるが、なかなか痛いとこを突いてくる。


1996年1月に私は何をしていたか? 
東京の西荻窪にいて、年末年始は香港で過ごしていた。
お土産のチョコレートを友だちに渡す約束をしている。


実は、94年からニフティで電子メールのやりとりをしていて、消さずにとっているから、
当時、何をしていたかがだいたい分かる。日記みたいなものか。


10年前の私は、今の私と同じだった。
つまり、私は何の努力もせず、ただ生きるための日々を過ごしていたことになる。
笑っちゃうね。


ドラマは、どうやら10年前の人間が9日後にはいなくなってしまうらしい。
現在より「若い」時代の人間が、どういうインパクトを残すのかが焦点になってくると
思うが、脚本の水橋文美江の腕の見せ所だ。 
グダグダになりそうな予感もするが、何とか乗り切ってほしい。