女王の教室最終話

なんかケストナーの小説みたいな話になってしまった。
いいんだろうか? 


教師がなぜ子供に尊敬されなくなったかというと、親が尊敬しなくなったからだ。
なぜ親が尊敬しなくなったかというと、親たちの大学進学率が上がったのと、
お金を儲ける仕事が偉いということになったからだ。
子供は、親のそういうものの見方を反映しているにすぎない。


このごろでは、テレビで著名人が母校を訪れて授業をしたり、オーサーズ・ビジットとか
いって、作家が授業をしたりしている。
親も子供も、ただの教師は尊敬しないが、有名人は尊敬するのである。
これでは、現場の教師たちの立場がないではないか。


メディアで培われた名声を持っている人のいうことは素直に聞いてくれる。
しかし、ただの教師に対しては、とことんアラ捜しをする。
そうやって子供たちは、まさに幼児的な全能感を補完するのだ。
これを回避するには、万能な人間になって生徒に隙を見せないようにするか、
暴力で威圧するしかない(阿久津先生は前者)。
どちらも現実的には不可能である。


じゃあ、面白い授業をやって生徒を引き付ければいいではないか、という反論もあろう。
だが、一度ナメられたら、そもそも教える→教わるという関係が崩れてしまうので、
どんなに準備をしても授業が成立しないのが現実ではなかろうか。


教師が再び尊敬されるようにするには、どうすればいいのだろう? 


私は、NHKローカル局で、公立学校の教師が授業する番組を制作すればいいと思う。
ひとりの教師がずっとやるわけではなく、一年に一回の出演でもかまわない。
とにかく、なるべく多くの教師がテレビに出る、ということが大切である。


これによって、生徒は「テレビに出た先生」と思うようになるので、少しは言うことを
聞くであろうし、親たちは内容をチェックすることで、どのような力量かを判断する
ことができる。


問題は、番組の制作費だね。誰がお金を出すか、でポシャッてしまうような気がする。
下手な考え休むに似たり、だ。


おしまい。