がんぱっていきまっしょい第6回

今回はキャプテンシーの話である。そしてリー(相武紗季)の切ない話でもある。


リーは前回、自分の関野(錦戸亮)に対する恋心を悦ネェ(鈴木杏)だけに打ち明けた。
しかし、関野に対する自分の気持ちに気づいていない悦ネェは、リーに遠慮していつも
通り関野と話せなくなってしまう。関野は、それをもどかしく思う。
黄金の三角関係だ。


その状況が、ひとりだけ分かっている中田三郎(田口淳之介)は、場をなごまそうと
持久走で「のどか食堂」(現実に存在したのは「まどか食堂」)のカツ丼を賭けることを
提案する。女子が10位以内に入ったら、関野と中田が女子にカツ丼をおごる。逆に10位
以下だったら、悦ネェとリーが男子にカツ丼をおごる。


なんじゃぁ、あいつら? 地味〜にデッドヒートしよる

と顧問の福田(相島一之)が見物していると、悦ネェは貧血で倒れてしまう。
すかさず走りよる関野を見たリーは(やっぱり‥‥)という顔をするのだ。切ない。
(ちなみに、このシーンのロケ地は松山東高校のグランドである。SEに電車の踏み切り
の音が入っているが、松山東高校ではふつう聞こえない。正門が撮影に使われている
松山北高校のグランドという設定なのだろう)


悦ネェが倒れたので、臨時のキャプテンとしてリーが指名される。
リーは張り切って、日本代表の練習見学を企画する。これが好評で、関野に

矢野(リー)のおかげやな。ありがとう

と感謝される。このときのリーの「よっしゃ!」という表情が可愛いのだ。


リーに対するボート部員たちの評価は上がり、逆に悦ネェの評価は下がる。
だが、リーは気持ちが先走っていた。
練習メニューを強化して、20kmの長距離を漕ぐことにするが、ダイエットで体力が
消耗しているイモッチ(藤本静)の調子を見抜けなかったのだ。


悦ネェがそれに気づいて練習を中止させる。
無理をしているイモッチに対して

私らは私らのままでええ。イモッチええんよ、辛かったら辛い言うて

と優しい言葉をかける。


すると、他の部員たちが手のひらを返したように、悦ネェに賛同していく。
おいおい、これではリーの立場がないではないか‥‥。


しょんぼりするリーに対して、関野は

お前ようやった。お前がんばってた。よう、分かっとるけん

と優しい言葉をかける。これにグラッときて、リーは告白するのだ。

好きよ。私、関野くんのことが好き。

今回、屈指の名シーンである。


だが、関野は返事をせず、みるみる顔を曇らせていく。
いたたまれなくなって去っていくリーは、次の日から部活を休んでしまうのだった。


もう、相武紗季をヒロインにしてもいいじゃないか、とすら思える。
キャプテンシーとは、仲間を納得させる力量だと思うのだが、主人公の鈴木杏はどうだ
ろうか? ちょっと微妙ではないか?


私はリーが幸せになることを祈らざるを得ないのである。